旧鋳物問屋鍋平別邸の庭園は、昭和16年(1941)頃に、現在の姿に離れの完成と共に整えられたものと思われます。庭園は南側の主庭、東側の側庭、正門に広がる前庭に分かれます。川口特有の豊かな水を利用した池泉回遊式日本庭園で、当時は吹き井戸を利用し、滝を配するなど、水景に特徴をもたせたつくりで、戦前期の東京下町地区を中心に流行した庭園の特色を色濃く残しています。